【技能実習】初めての監査に臨む監理団体職員がおさえておくべき資料について弁護士が解説

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2021.03.13

監理団体の監査 弁護士

 

 

団体監理型技能実習の場合、実習実施者は、技能実習計画の作成について指導を受けた監理団体による実習監理を受けなければならないとされています(技能実習法第9条第8号)。このため、監理団体は、3カ月に一回、実習実施者に監査に行かなければなりません(技能実習法施行規則第52条1号柱書、いわゆる「定期監査」)。

日常的に実習実施者と接している監理団体であっても、監査項目が多岐にわたることもあり、担当者個々人によって監査のやり方は異なる、ということが多いでしょう。

その結果、監査担当者個々人の資質に依存するところが多くなり、新人教育の際、どのように指導していいのかわからない、といったご相談を受けることがあります。

そこで、初めて監査担当になった監理団体の新人職員を想定して、監査のために押さえておかなければいけない点について解説していきます。
まずは、入り口として押さえておかなければいけない資料について解説していきます。

 

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1.機構がホームページで公表している資料

 

 

【絞り込みの視点】
監理団体の監査において、理解が必要な法令は技能実習法入管法労働基準法労働契約法労働安全衛生法最低賃金法等多岐に渡りますが、いきなりすべてを完璧に理解するのは難しいでしょう。まずは、「取締機関である外国人技能実習機構は何を参考にしているのか」という視点から考えることが必要です。すなわち、外国人技能実習機構がホームページにあげている資料は必ず押さえておく必要があります。

 

代表的なものは以下のとおりです(青字をクリックするとそれぞれの資料が見られます)。

 

  • 法務省出入国在留管理庁、厚生労働省人材開発統括官外国人技能実習制度について」                                        →技能実習制度の全体像をおさえるのに役立ちます。
  • 令和2年4月出入国在留管理庁・厚生労働省編技能実習制度運用要領
    (※令和3年4月1日付けで一部改正されています。外国人技能実習機構のホームペーを確認して最新のものを必ず押さえるようにしてください。)
    →監理団体職員であれば、必ず押さえておかなければならないものです。機構の職員も基本的には運用要領に書いてあることは踏まえて指導を行っています。
  • 外国人技能実習機構ホームページよくあるご質問
    →運用要領だけではわからないことが書いてあることもあります。必ず目を通しておきましょう。
  • 【令和5年5月31日付け】「建設職種安全衛生チェックリスト」(厚生労働省関連部分(労働安全衛生関係法令の遵守))
    →「建設職種の外国人技能実習生を受け入れる実習実施者に対して、監理団体が定期監査を実施する際にご活用いただくことを目的として作成したもの」と明確に記載されていますので、今後はこのチェックリストに乗っている項目のチェックは必須です。

 

 

2.厚生労働省がホームページで公表している資料

 

また、監理団体の監査においては、実習実施者が労働関係法令の違反をしないよう指導していくことが求められます。労働関係法令の理解のため厚生労働省がホームページで公表している以下の資料は押さえておくべきでしょう。

 

  • 厚生労働省編監理団体による監査のためのチェックリスト 」                                          →ただし、働き方改革以前のものなので、労働時間・休日等に関しては、下記の資料を押さえておくことが必要です。
  • 東京労働局編労働基準法のあらまし」                                          労働基準法の全体像を押さえるのに役立ちます。
  • 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署時間外労働の上限規制わかりやすい解説」                 →働き方改革で導入された労働時間の上限規制に関する解説です。36協定の記載の仕方も含め、必ず押さえておかなければいけないものです。
  • わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得」                                      →技能実習生は有給休暇を取りたがらない人も多いですが、年10日以上有給休暇が発生した労働者には5日以上有給休暇を取らせる義務があります。このことを理解する為に押さえておくべきでしょう。

 

 

 

3.まとめ

サマリー

 

押さえておかなければいけない資料がとても多いことに驚かれた方もいるかもしれません。

監理団体の監査は必要な法令が多岐にわたります。

今回あげた資料は基本的なものなので、都度もっと詳しい資料にあたるなどしていくことが重要です。加えて、何かあればすぐに聞ける専門家とつながっておくことが職員の安心感につながることは間違いないでしょう。

私も日々、クライアントから様々な質問を受けていますが、どの監理団体様も問い合わせをいただくポイントは似通っていると感じることが多いです。サポートをご希望される方は下記のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

この記事を書いた「Linolaパートナーズとは」

弁護士
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片岡 邦弘

Linolaパートナーズ法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属)
外国人労務特化型弁護士/入管法届出済弁護士
1978年東京生まれ、東京在住

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