育成就労制度【特集ページ】2027年4月施行・最新運用要領(令和8年4月6日改正版)|Linolaパートナーズ法律事務所

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2026.05.28
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※ 本記事は、育成就労制度運用要領(令和8年2月20日公表・令和8年4月6日一部改正版)および令和8年1月23日閣議決定の分野別運用方針に基づいています。施行日(令和9年4月1日)前の移行期につき、今後の省令・告示の公布により内容が変動する可能性があります。

2024年6月21日、「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、技能実習制度を発展的に解消し、新たな在留資格制度として日本の人手不足分野における人材の育成・確保を目的とする「育成就労制度」が創設されました。

2027年4月1日の施行まで残り約1年。監理支援機関の施行日前申請は2026年4月15日に受付が開始され、育成就労計画の認定申請は同年9月1日から始まります。

本記事は、出入国在留管理庁・厚生労働省・OTIT(外国人技能実習機構)が公表した最新の行政資料に基づき、育成就労制度の全体像をわかりやすく解説します。

【参照】出入国在留管理庁「育成就労制度」

【参照】外国人技能実習機構(OTIT)「育成就労制度について」

▼ 制度の全体像:キャリアパスフロー 

Linolaパートナーズ法律事務所作成

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目次

1 育成就労制度とは何か?技能実習制度との本質的な違い

新制度である「育成就労制度」は、これまでの技能実習制度から大きくその目的を変えました。

ここでは、制度創設の背景や法的根拠を整理し、国際貢献から「人材育成・確保」へ転換した本質的な違いを解説します。

(1) 制度創設の経緯と法的根拠

育成就労制度は、「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第60号。以下「改正法」)が令和6年6月21日に公布されたことで創設されました。施行日は令和9年(2027年)4月1日です。

改正により技能実習法は「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(以下「育成就労法」)に改められ、技能実習制度は発展的に解消されます。

【参照】出入国在留管理庁「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」

(2) 「人材育成・確保」への目的転換

技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的としていましたが、実態は人材確保であり国際社会から批判を受けてきました。

育成就労制度はこの乖離を解消し、制度目的を明確に「人材の育成・確保」に転換しました(育成就労法第1条)。

第1条(目的)
第一条 この法律は、育成就労に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、育成就労計画の認定及び監理支援機関の許可の制度を設けること等により、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)その他の出入国に関する法令及び労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)その他の労働に関する法令と相まって、育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護を図り、もって育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有する人材を育成するとともに、育成就労産業分野における人材を確保することを目的とする。
出典:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)

【参照】OTIT育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第1章 1-1頁 」

(3) 育成就労制度と技能実習制度の比較ポイントまとめ

項目技能実習制度(旧)育成就労制度(新)
制度目的技能移転による国際貢献人材育成・確保(国内人手不足対応)
在留期間最長5年(1号〜3号)原則3年(試験不合格時は最長1年延長可)
転籍原則不可(やむを得ない事情のみ)一定要件を満たせば本人意向で可(同一業務区分内)
管理機関監理団体(非営利)監理支援機関(許可制・基準厳格化)
外部監査外部監査人・外部役員の選択制外部監査人の設置義務化
送出費用上限規制なし(平均約54万円の実態)月給2か月分が上限
特定技能との連続性不十分原則あり(育成就労→特定技能1号→特定技能2号)

2 育成就労制度の全体像|在留資格・期間・受入形態

育成就労制度では、外国人がどのような在留資格で、どのくらいの期間働けるのでしょうか。

ここでは、原則3年間の在留期間や、監理型・単独型といった受入形態の違い、特定技能1号への移行ルートについて確認します。

(1) 育成就労の在留資格と在留期間(原則3年)

育成就労外国人は「育成就労」の在留資格で在留します。

在留期間は育成就労計画の期間(3年以内)で、業務区分の中で「主たる技能」を定め計画的に育成・評価が行われます(育成就労法第9条第1項第3号)。

(認定の基準)
第九条 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、第八条第一項の認定の申請があった場合(同項の認定を受けようとする育成就労計画が労働者派遣等監理型育成就労を行わせるものである場合を除く。)において、その育成就労計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一 従事させる業務において要する技能の属する分野が育成就労産業分野であること。
二 従事させる業務、当該業務において要する技能、日本語の能力その他の育成就労の目標及び内容として定める事項が、育成就労の区分に応じて主務省令で定める基準に適合していること。
三 育成就労の期間が三年以内であること。
四 育成就労を終了するまでに、育成就労外国人が修得した技能及び育成就労外国人の日本語の能力の評価を主務省令で定める時期に主務省令で定める方法により行うこと。
五 育成就労を行わせる体制及び事業所の設備が主務省令で定める基準に適合していること。
六 育成就労を行わせる事業所ごとに、主務省令で定めるところにより育成就労の実施に関する責任者が選任されていること。
七 単独型育成就労に係るものである場合は、単独型育成就労実施者に対する単独型育成就労の実施に関する監査の体制が主務省令で定める基準に適合していること。
八 監理型育成就労に係るものである場合は、申請者が、育成就労計画の作成について指導を受けた監理支援機関による監理支援を受けること。
九 育成就労外国人に対する報酬の額が日本人が当該業務に従事する場合の報酬の額と同等以上であることその他育成就労外国人の待遇が主務省令で定める基準に適合していること。
十 申請者が育成就労の期間において同時に複数の育成就労外国人に育成就労を行わせる場合は、その数が主務省令で定める数を超えないこと。
十一 外国の送出機関(監理型育成就労の対象となろうとする外国人からの監理型育成就労に係る求職の申込みを適切に本邦の監理支援機関に取り次ぐことができる者として主務省令で定める要件に適合するものをいう。以下この号、第二十三条第二項第五号及び第二十五条第一項第六号において同じ。)からの取次ぎを受けた外国人に係るものである場合は、当該外国人が送出機関に支払った費用の額が、育成就労外国人の保護の観点から適正なものとして主務省令で定める基準に適合していること。
出典:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)

3年経過後も試験に不合格の場合は最長1年の在留継続が認められます。

なお、家族の帯同は原則として認められていません。

(2) 監理型と単独型の2つの受入形態

形態概要主な対象
監理型監理支援機関の支援・監理のもとで受け入れる。実務上の大多数中小企業等(監理支援機関を通じて受入れ)
単独型企業が単独で育成就労を実施する。一定の規模・体制が必要大企業・海外事業所を持つ企業等

(3) 特定技能1号への移行ルート(制度の連続性)

育成就労制度の最大の特徴は、特定技能制度との連続性です。

3年間の育成就労を修了し、技能試験・日本語試験に合格することで特定技能1号に移行できます。

さらに特定技能2号に移行すれば在留期間の更新が無期限となり、家族帯同も可能になります。

3 対象分野・業務区分|2026年1月閣議決定の最新版

育成就労制度|対象職種・業務区分

育成就労の対象となるのは、特定技能制度と同じく「人材確保が困難な産業分野」に限定されます。

ここでは、最新の閣議決定に基づく対象分野・業務区分と、これまでの技能実習における職種との関係を整理します。

▼ 16〜17の育成就労産業分野(令和8年1月23日閣議決定・最新公式資料で要確認)

No分野名備考
1介護 
2ビルクリーニング 
3リネンサプライ★今回新設
4工業製品製造業 
5建設 
6造船・舶用工業 
7自動車整備 
8宿泊 
9鉄道 
10物流倉庫★今回新設
11農業季節性あり→派遣形態も可
12漁業季節性あり→派遣形態も可
13飲食料品製造業 
14外食業 
15林業 
16木材産業 
17資源循環★今回新設

技能実習の移行対象職種との関係整理

技能実習制度では91職種168作業が対象でしたが、育成就労では「分野(業務区分)」という枠組みに再編されます。

すべての技能実習対象職種が育成就労の対象になるわけではありません。

自社業務の該当確認にはOTIT「技能実習2号移行対象職種と育成就労における分野(業務区分)との関係性について」を参照してください。

【参照】OTIT「別紙7 技能実習2号移行対象職種と育成就労における分野(業務区分)との関係性について」

4 育成就労計画の認定|現場の声

育成就労計画の認定

外国人を新たに受け入れる際や転籍の際には、必ず「育成就労計画」を作成し、機構の認定を受ける必要があります。

ここでは、具体的な認定手続きの流れや必要となる記載事項、新たに明確化された認定手数料について解説します。

(1) 計画認定制の仕組みと申請先(機構)

育成就労を実施するには、外国人1名ごとに「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構の認定を受けることが必要です(育成就労法第8条第1項)。

認定は施行日前申請として令和8年9月1日から受け付け開始予定です。

▼ 育成就労計画の認定プロセス

1育成就労計画の作成 業務区分・主たる技能・日本語目標・育成体制等を記載。監理型は監理支援機関の指導のもと作成
2外国人育成就労機構へ認定申請 施行日前申請:令和8年9月1日受付開始。手数料:1件6,100円(令和8年4月6日改正で明記)
3認定審査 認定基準(育成就労法第9条)への適合性を審査。書類不備・基準不適合の場合は不認定
4認定通知書の受領 認定通知書等を添付書類として在留資格認定証明書の交付申請へ進む
5入国・育成就労開始 令和9年4月1日以降(施行日)から育成就労外国人の受入れが開始
出典:外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)

育成就労計画認定申請手続きに関する案内については、令和8年6月頃に掲載予定です。

下記をご参考になさってください。

出典:OTIT「育成就労計画認定施行日前申請」

(2) 計画に必要な記載事項

技能実習制度と比較すると、計画認定の審査は緻密さが求められています。

【計画認定の審査】
・育成就労の期間(3年以内)
・業務区分および主たる技能
・育成就労の目標(技能試験・日本語試験の受験計画を含む)
・育成就労の内容(具体的な業務内容・評価方法)
・日本語能力の向上のために必要な措置
・受入体制(育成就労責任者・指導員・生活相談員の選任)
・外国人が送出機関に支払った費用の額

また、育成就労計画には以下の事項の記載が必要です(育成就労法第8条第3項)。

3 育成就労計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 第一項の認定の申請をする者(以下この条及び第九条において「申請者」という。)の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
三 育成就労を行わせる事業所の名称及び所在地
四 育成就労の対象となろうとする外国人の氏名及び国籍
五 育成就労の区分(単独型育成就労又は監理型育成就労の区分をいう。第九条第一項第二号において同じ。)
六 従事させる業務、当該業務において要する技能、日本語の能力その他の育成就労の目標(育成就労を終了するまでに職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第四十四条第一項の技能検定又は主務省令で指定する試験(第五十二条において「育成就労評価試験」という。)に合格することその他の目標をいう。第九条第一項第二号において同じ。)及び内容並びに育成就労の開始日及び終了日
七 育成就労を行わせる事業所(前項の場合にあっては、本邦の派遣元事業主等が育成就労に関する業務を行う事業所を含む。)ごとの育成就労の実施に関する責任者の氏名
八 単独型育成就労に係るものである場合は、単独型育成就労実施者に対する単独型育成就労の実施に関する監査を行う者の氏名
九 監理型育成就労に係るものである場合は、監理支援を受ける監理支援機関の名称及び住所並びに代表者の氏名
十 報酬、労働時間、休日、休暇、宿泊施設、育成就労外国人が負担する食費及び居住費その他の育成就労外国人の待遇
十一 その他主務省令で定める事項
出典:「育成就労法第8条第3項(計画の記載事項」

【参照】OTIT「育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第4章第1節第2 4-8〜4-10頁」

(3) 認定手数料(令和8年4月6日改正で明確化)

★ R8.4.6改正
令和8年4月6日改正により、認定申請手数料が「育成就労計画1件につき6,100円」と明記されました(育成就労法第8条第6項、規則第9条)。改正前は「主務省令で定める額」とのみ記載されていました。

改正箇所改正前(現行)改正後(R8.4.6改正)
第4章第1節第5 認定申請手数料「主務省令で定める額の手数料を機構に対し納付」(具体額の記載なし)育成就労計画1件につき6,100円と明記。口座振り込みによる支払い(規則第91条)
参照:育成就労法第8条第6項・規則第9条・第91条

【参照】OTIT「育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第4章第1節第5 4-13〜14頁」

5 監理支援機関の役割と許可基準|監理団体から何が変わるのか?

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現行の監理団体は、より要件が厳格化された「監理支援機関」へと生まれ変わります。

自動移行は認められず新規許可申請が必要となる点や、新たに義務化された外部監査人の設置、費用徴収の厳格なルールについて確認しましょう。

(1) 監理支援機関の許可制と外部監査人の義務化

監理支援機関は許可制で、技能実習制度の監理団体より許可基準が大幅に厳格化されています(育成就労法第23条・第25条)。最大の変更点が「外部監査人の設置義務化」です。

・外部監査人になれる者:弁護士・社会保険労務士・行政書士、その他出入国や労働法令について高度な知見を有する者(法人も可)
・監理支援機関の役職員との兼務禁止(一定の例外あり)
・養成講習の受講が必須
・監理支援機関と顧問契約を結ぶ弁護士等は直ちに「密接な関係」に該当しない(ただし個別判断要

★ R8.4.6改正
令和8年4月6日改正(通し番号17):外部監査人の資格要件の記載が整理され「弁護士、社会保険労務士、行政書士、その他出入国や労働法令について高度な知見を有する者」と明記。法人が外部監査人になる場合に複数の「監査実施責任者」を選任できることも明確化(通し番号18)されています。

【参照】育成就労法第23条・第25条(監理支援機関の許可)

【参照】OTIT「育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第5章第2節第5 5-26〜29頁」

外部監査人に関するQ&Aは下記のページをご参考になさってください。

法改正 育成就労制度対応「外部監査人サービス」管理支援機関必読|Linolaパートナーズ法律事務所

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(2) 監理団体は自動移行できない|2026年4月15日申請開始

現行の監理団体の許可は、育成就労制度の監理支援機関許可に自動移行されません。

改めて新規の許可申請が必要です(育成就労法第23条)。

手続受付開始日備考
監理支援機関の許可申請(施行日前)令和8年4月15日申請先:OTIT
育成就労計画の認定申請(施行日前)令和8年9月1日詳細は令和8年6月頃公表予定
現行監理団体許可の新規申請期限令和8年9月30日までこの期限以降は技能実習制度での新規許可申請不可
1号技能実習計画の認定申請期限令和9年2月まで速やかに対応が必要

【参照】入管庁「育成就労制度Q&A(Q3・Q7)」

【参照】OTIT「監理支援機関許可施行日前申請」

(3) 費用徴収ルールと転籍専業業者は不可(令和8年4月6日改正)

・監理支援費は育成就労実施者(受入企業)のみから徴収可。育成就労外国人への直接・間接の負担 
 転嫁禁止(育成就労法第39条)
・監理支援費管理簿(参考様式第4-8号)の作成・備置義務
・専ら転籍者のみを対象とする監理支援は不可(令和8年4月6日改正により明確化)

★ R8.4.6改正
令和8年4月6日改正(通し番号11):「専ら転籍者のみを対象に監理支援事業を行う者」は3年間を通じた一連の監理支援能力を有しないとして許可されない旨が明記されました。許可申請時に送出機関を具体的に示した上で、対象が専ら転籍者のみでないことの立証が必要です。

【参照】育成就労法第39条(監理支援費)

【参照】育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第5章第5節 5-62〜64頁

6 育成就労外国人の保護と転籍ルール|最大の変更点

技能実習制度においては、実習先の倒産や人権侵害など「やむを得ない事情」がある場合を除き、原則として転籍(実習先の変更)が厳しく制限されていました。

新制度である育成就労制度では、この「やむを得ない事情」による転籍の手続きが柔軟化されるだけでなく、新たに「本人の意向による転籍」が一定の要件下(同一機関での就労期間、技能・日本語能力の試験合格など)で認められるようになったため、非常に大きな制度変更といえます。

ここでは、転籍が可能となる具体的な要件や制限期間、初期費用補填の仕組みなど、実務上最も重要なルールを解説します。

(1) 本人意向による転籍の要件と制限期間

先述のとおり、育成就労制度では、一定の要件を満たせば「同一業務区分内での転籍」が認められます(育成就労法 第9条の2第3号)。技能実習制度では原則として転籍が禁止されていたことと比較して大きな変更です。

(第八条の五第一項の認定の基準)
第九条の二 出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣は、第八条の五第一項の認定の申請があった場合において、その育成就労計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一 前条第一項各号(第三号及び第十一号を除く。)(第八条の五第一項において準用する第八条第二項の場合にあっては、前条第二項各号(第一号にあっては、同条第一項第三号及び第十一号に係る部分を除く。))のいずれにも該当すること。
二 育成就労の期間が、第八条の五第二項第五号の期間と通算して三年以内(第十一条第一項の規定により育成就労の期間が延長されている場合にあっては、四年以内)であること。
三 従事させる業務において要する技能及び当該技能の属する育成就労産業分野が従前の認定育成就労計画に定められていたものとそれぞれ同一であること。
出典:育成就労法 第9条の2第3号

また、育成就労制度における「転籍(育成就労実施者の変更)」に関連する主な手続きや要件は、育成就労法の第8条および第9条の追加条文などに規定されています。

以下は、一部を抜粋したものです。

(育成就労外国人による育成就労実施者の変更の希望の申出等)
第八条の二 育成就労外国人は、育成就労実施者の変更を希望するときは、主務省令で定めるところにより、書面をもって、育成就労実施者の変更を希望する旨を、次の各号に掲げる育成就労外国人の区分に応じて当該各号に定める者のいずれかに申し出ることができる。
一 単独型育成就労外国人 当該単独型育成就労外国人を対象として単独型育成就労を行わせている単独型育成就労実施者又は出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣
二 監理型育成就労外国人 当該監理型育成就労外国人を対象として監理型育成就労を行わせている監理型育成就労実施者若しくは当該監理型育成就労実施者が監理支援を受けている監理支援機関又は出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣
出典:「育成就労法第8条の2(育成就労外国人による育成就労実施者の変更の希望の申出等)」

育成就労法第8条の2において、転籍の申出を受けた際の受入企業(育成就労実施者)の対応は、「単独型」と「監理型」で明確に手続きが分けられています。

単独型の場合(法第8条の2第2項)
遅滞なく、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣(実務上は機構)に直接「届出」をしなければならない。
監理型の場合(法第8条の2第3項)
遅滞なく、監理支援機関に「通知」しなければならない。

▼ 本人意向転籍の要件・転籍手続の標準フロー   

Linolaパートナーズ法律事務所作成

\新制度における「転籍」について重要な注意点、6つの厳格なハードルとは?/

https://linola-partners.com/blog/employment-for-skill-development-transfer-unavoidable-circumstances

(2) 転籍申出の手続きフロー(受入企業が受け取った後の流れ)

育成就労外国人は、育成就労実施者・監理支援機関・OTITのいずれに対しても転籍の申出ができます(育成就労法第8条の2第1項、同法第8条の3)。

なお、「OTIT(外国人技能実習機構)」は技能実習制度の機関名であり、育成就労制度では「機構(外国人育成就労機構)」へと変更される点もおさえておきましょう。

なお、申出を受けた者には関係者への通知・届出義務があり、これを怠ると30万円以下の罰金が科されます(育成就労法第112条第1項第1号・第2号)。

(3) 初期費用補填の仕組み(令和8年4月6日改正で誤記修正)

★ R8.4.6改正
令和8年4月6日改正(通し番号4):転籍時の初期費用補填に関する誤記が修正されました。補填先が「転籍先の育成就労実施者」から「転籍元の育成就労実施者」に訂正されました。受入初期費用を転籍元が回収できる仕組みです。

改正箇所改正前(現行)改正後(R8.4.6改正)
第4章第3節第2(3)ウ 転籍時の初期費用補填【誤記】転籍先となる育成就労実施者が、「転籍先の」育成就労実施者に対して補填する【正】転籍先となる育成就労実施者が、「転籍元の」育成就労実施者に対して補填する(受入初期費用を転籍元が回収できる正しい仕組み)

(4) 送出機関費用の上限規制(月給2か月分)

育成就労外国人が送出機関に支払う費用は、日本での月給の2か月分が上限とされます(育成就労法施行規則に規定)。

超過分は受入企業が負担します。

技能実習制度下で来日前費用が平均約54万円に上っていた実態への対応策です。

【参照】育成就労法施行規則(令和7年9月30日公布)

7 育成就労指導員・生活相談員の選任要件(令和8年4月6日改正)

育成就労指導員・生活相談員の選任要件

現場で外国人の育成や生活支援を担う「育成就労指導員」と「生活相談員」の選任要件も、最新の改正でより明確に整理されました。

ここでは、各担当者に求められる「対象事業所への所属」などの具体的な要件を解説します。

★ R8.4.6改正
令和8年4月6日改正(通し番号3):育成就労指導員・生活相談員の選任要件が整理・明確化されました。

改正箇所改正前(現行)改正後(R8.4.6改正)
第4章第2節第6(1) 共通要件共通要件として「育成就労を行わせる事業所に所属している者」の記載あり(やや不明確)共通要件から「事業所所属」の記載を削除し、指導員・相談員それぞれの選任事項に整理(※ただし育成就労指導員・生活相談員ともに引き続き「対象事業所への所属」は必須要件)
育成就労指導員従事させる業務で5年以上の経験を有する者(事業所所属は共通要件による)育成就労を行わせる「事業所に所属」し、かつ認定申請時点で5年以上の経験を有する者と明確化
生活相談員事業所所属要件の記載が共通要件にあり(個別規定に不明確な面あり)「育成就労を行わせる事業所に所属している者から選任」と明確に規定

【参照】OTIT「育成就労制度運用要領(令和8年4月版)第4章第2節第6(1)4-58〜59頁」

8 日本語能力要件【3段階】入国前・1年目・特定技能移行

日本語能力要件|入国前・1年目・特定技能移行時の3段階

育成就労制度では、段階的かつ確実な日本語能力の向上が求められます。

ここでは「入国前」「1年経過時」「特定技能移行時」の3段階に分けて設定された、新たな日本語能力の試験合格や講習受講の要件を整理します。

▼ 日本語能力 3段階要件

時点入国前 (育成就労開始前)就労開始後 1年経過時特定技能1号 移行時
要件水準A1相当以上A1相当以上の水準から、特定技能1号移行時に必要となる水準までの範囲内で分野ごとに設定特定技能1号移行時に必要となる日本語能力の水準(A2相当等※)
対応試験例JLPT N5等分野別に設定JLPT N4等相当
備考認定日本語教育機関での講習受講でも可(就労課程等でA1相当講習を100時間以上履修)受入機関は1年経過時までに受験させる義務あり技能試験(技能検定3級等)との併用が必要

「日本語教育の参照枠」のA1はJLPT N5相当、A2はJLPT N4相当 とされています。

※通常はA2相当が求められますが、特定の分野においてはより高い水準が設定されている場合があるため、必ず各分野の「分野別運用方針」をご確認ください。

【参照】出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A(Q15)」

【参照】JITCO公益財団法人国際人材協力機構「育成就労制度について」Q&A

9 受入企業が今すぐ確認すべき実務チェックポイント

チェックリスト

制度開始に向けて、受入企業は今から社内体制を見直し、準備を進める必要があります。

ここでは、担当者がすぐに確認・着手すべき実務上の必須タスクを「体制整備チェックリスト」としてまとめましたので、ご活用ください。

▼ 2026〜2027年 準備スケジュール

時期受入企業・監理団体が行うこと
2026年4月15日〜【監理支援機関許可申請開始】監理団体は新規許可申請が必要。外部監査人の確保・体制整備を急ぐ
2026年6月頃【育成就労計画認定の詳細公表予定】OTIT HPで随時確認
2026年9月1日〜【育成就労計画認定申請開始】申請書類・育成計画の準備
2026年9月30日(予定)まで【現行監理団体の新規許可申請期限】この期限後は技能実習制度での新規許可申請不可
2027年2月(予定)まで【1号技能実習計画の認定申請期限】現在技能実習生在籍中の企業は期限に注意
2027年4月1日【育成就労制度施行】育成就労外国人の受入れ開始

(1) 体制整備チェックリスト

☑ 自社業務が17の育成就労産業分野・業務区分に該当するか確認(OTIT別紙7参照)
☑ 育成就労責任者・育成就労指導員・生活相談員の候補者選定
☑ 各担当者の養成講習受講計画の策定
☑ 監理支援機関(旧監理団体)の許可申請準備(外部監査人の確保含む)
☑ 在籍中の技能実習生の在留期限と経過措置の適用可否確認
☑ 送出機関費用の現状把握と月給2か月分ルールへの対応確認

【参照】育成就労制度Q&A(Q39・Q67):入管庁https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html

【参照】OTIT「技能実習制度の施行に伴う経過措置について」 https://www.otit.go.jp/employment_for_skill_development/

技能実習・特定技能の法務支援(育成就労対応) 監理団体様向け顧問弁護士サービス|Linolaパートナーズ法律事務

10 さらに詳しく知りたい方へ|専門記事のご案内

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本特集ページでは育成就労制度の全体像を解説しました。

今後も育成就労に関する関連記事は本特集ページを中心に展開していきますので、お役立てください。

実務上の具体的な判断基準や法令・行政資料に基づく詳細な整理については、以下の専門記事で詳しく解説しています(※ただいま準備中)。

テーマ対象読者優先度
育成就労と技能実習の違いについて制度を比較したい企業担当者・監理団体の皆さま向け★★★
育成就労の転籍問題転籍リスクを把握したい受入企業様向け★★★
育成就労における監理支援機関 の要件監理支援機関への移行を検討中の監理団体様向け★★★
育成就労と特定技能の違いについて外国人材のキャリアパスを理解したい人事担当者様向け★★★
育成就労制度の職種・分野について自社業務が対象か確認したい担当者様向け★★
育成就労の日本語能力・入国後講習について教育体制を整備したい受入企業様向け★★
育成就労はいつから?施行スケジュールを把握したい全関係者様向け★★

11 Q&A|よくある実務上の疑問

Q&A

ここでは、よくある質問をまとめてあります。

Q1. 育成就労制度はいつから始まりますか?

A. 令和9年(2027年)4月1日から施行されます。

施行日前申請として、監理支援機関の許可申請は令和8年4月15日から、育成就労計画の認定申請は令和8年9月1日からそれぞれ受け付けが始まります。

【参照】出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A(Q3)」

Q2. 既存の監理団体は新制度の以降に伴い自動的に監理支援機関になれますか?

A. いいえ、自動的に移行することはありません。 現在、技能実習制度において監理団体の許可を受けている場合であっても、育成就労制度の下で引き続き事業を行うためには、新たに「監理支援事業の許可」を取得する必要があります(育成就労法第23条、改正法附則第13条)。

ただし、新制度への円滑な移行をサポートするため、制度の施行日(令和9年4月1日)を待たずに申請手続きができる「施行日前申請」の仕組みが設けられています(改正法附則第5条)。この事前申請は、令和8年4月15日(水)より外国人技能実習機構にて受付が開始されます。 引き続き事業を行う予定の監理団体の皆様は、この受付期間を利用して計画的に許可申請の準備を進めることをおすすめします。

Q3. 育成就労外国人は自由に転職できますか?

A. いつでも自由に転職できるわけではありませんが、一定の要件を満たした場合に「同一の業務区分内での転籍(受入企業の変更)」が認められます(育成就労法第8条の5、第9条の2等)。

具体的には、本人の意向で転籍(転職)を行う場合、主に以下の要件をクリアする必要があります。

  • 転籍制限期間の経過: 現在の企業での就労期間が、分野ごとに定められた期間(1年〜2年)を超えていること
  • 試験の合格: 基礎級等の技能検定および、一定水準(N5・A1相当以上など)の日本語能力試験に合格していること
  • 転籍先の適正性: 転籍先となる新たな受入企業が、外国人材の育成実績等に照らして優良な要件を満たしていること

新制度では、外国人材の権利を保護しキャリアアップを支援する観点から、これまでの技能実習制度に比べて柔軟なステップアップが認められる仕組みとなっています。

Q4. 育成就労外国人の受入れ上限はありますか?

A. はい、あります。受入れ上限には大きく分けて「国(分野ごと)の上限」と「企業ごとの上限」の2つが存在します。

1. 国(分野ごと)の上限 新制度では、分野ごとに向こう5年間の「受入れ見込数」が設定されており、これが分野全体の受入れ上限として運用されます(育成就労法第7条の2)。最新の政府方針によると、今後5年間(令和11年3月末まで)の受入れ見込数は、特定技能(約80.5万人)と育成就労(約42.6万人)の合算で約123万人と設定されています。

2. 企業ごとの上限(人数枠) 各受入企業が実際に受け入れられる人数にも、上限(人数枠)が定められています。基本的には、受入企業の「常勤職員の総数」に応じて受け入れ可能な枠が決まります(育成就労法第9条第1項第10号、規則第19条)。 ただし、企業やサポートを行う監理支援機関が「優良」と認定された場合や、事業所が地方(大都市圏以外の指定区域)にある場合には、この人数枠が大きく拡大される優遇措置も設けられています。自社の常勤職員数や要件に照らして、何人まで受け入れ可能か事前に確認しておくことが重要です。

【参考・出典】
厚生労働省『当面の外国人雇用対策について』(令和8年5月15日公表)

Q5. 技能実習から育成就労に移行することはできますか?

A. いいえ、日本国内に在留したまま、技能実習から育成就労へ移行(在留資格を変更)することはできません。

新制度の施行日(令和9年4月1日)時点で技能実習を行っている外国人材には「経過措置」が適用され、そのまま技能実習制度のルールの下で実習を継続することになります(改正法附則第9条)。そのため、経過措置の期間中にそのまま育成就労へ切り替えることは認められていません。

ただし、全く道が閉ざされているわけではありません。技能実習生が実習を終えて一度本国へ帰国(出国)した場合は、過去の技能実習を行っていた期間を通算するなどの所定の要件を満たせば、新たに「育成就労」の在留資格で再入国し、就労することが可能です。

【参考・出典】
出入国在留管理庁『育成就労制度運用要領』
改正法附則第9条、第11条

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12 サマリー|外国人労務特化型弁護士からの注意喚起

育成就労制度は、30年以上続いた技能実習制度の根本的な見直しです。

「国際貢献」という建前が撤廃され、「人材育成・確保」が正面の目的として明確化されました。

実務上、今すぐ対応すべき重要事項を確認しておきましょう。

2026年4月15日:監理支援機関の施行日前申請受付開始。監理団体は新規申請が必要
2026年9月1日:育成就労計画認定申請受付開始。計画作成は緻密さが求められる
2027年2月(予定)まで:1号技能実習計画の認定申請はこの時期までに
2027年4月1日:育成就労制度施行

育成就労制度は、30年以上続いた技能実習制度を根本から見直し、「国際貢献」という建前を撤廃して「人材育成・確保」を正面の目的とした新制度です。

実務上、今すぐ押さえておくべき重要スケジュールは以下の4点です。

2026年4月15日:監理支援機関の「施行日前申請」受付開始 (※既存の監理団体も自動移行は不可、新規の許可申請が必須)
2026年9月頃〜:育成就労計画認定の事前申請スタート(実務上の最速目安) (※制度施行日に受入れを開始する場合、原則7ヶ月前からの申請となるため)
2027年2月頃:旧・技能実習計画の「最終申請デッドライン」(実務上の目安) (※実習始期が2027年6月30日までのものに限り申請可能なため、審査期間を逆算した目安)
2027年4月1日:育成就労制度 施行

運用要領等は現在も順次アップデートされています(直近では令和8年4月・5月にも新データが公表)。経過措置など特有の複雑なルールが絡むため、個別の案件や移行対応については、最新法令に基づき専門家へご相談いただくことをおすすめいたします。

※本記事の内容は、記事執筆時点(令和8年4月)の法令・行政資料に基づく概要解説です。個別の事案への適用や最新の制度運用状況については、出入国在留管理庁等の公式発表をご確認いただくか、専門家へ直接ご相談ください。

13 参照情報(公的資料)

本記事の作成にあたり参照した主要な公的資料です。URLをクリックすると直接アクセスできます。

機関名資料名版・日付URL(クリックで開く)
出入国在留管理庁・厚生労働省育成就労制度運用要領(令和8年4月版・全体版)R8.4.6改正リンクを開く
出入国在留管理庁・厚生労働省育成就労制度運用要領の一部改正について(新旧対照表)R8.4.6リンクを開く
出入国在留管理庁育成就労制度トップページ随時更新リンクを開く
出入国在留管理庁育成就労制度Q&AR7.12.26更新リンクを開く
出入国在留管理庁・厚生労働省特定技能制度及び育成就労制度の基本方針・分野別運用方針特定技能制度及び育成就労制度の基本方針(R7.3.11閣議決定)・分野別運用方針(R8.1.23閣議決定)リンクを開く
法務省外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)R7.6.1 施行
★現在施行
リンクを開く
法務省外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律(育成就労法)e-Gov法令検索R9.4.1 施行リンクを開く
法務省・厚生労働省
出入国在留管理庁
育成就労制度の制度概要・関係法令随時更新リンクを開く
OTIT(外国人技能実習機構)育成就労制度について随時更新リンクを開く
OTIT(外国人技能実習機構)関係法令・育成就労運用要領等随時更新リンクを開く
OTIT(外国人技能実習機構)監理支援機関許可施行日前申請R8.4.15受付開始リンクを開く
Linolaパートナーズ法律事務所まとめ
※OTIT(外国人技能実習機構 ※新制度より「外国人育成就労機構」へ改組されます。

この記事を書いた「Linolaパートナーズとは」

弁護士
弁護士

片岡 邦弘

Linolaパートナーズ法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属)
外国人労務特化型弁護士
1978年東京生まれ、東京在住

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